加賀市は石川県の南西の端、福井県との境にあります。山代・山中・片山津の3つの温泉地に、大聖寺川の渓谷、九谷焼の発祥地、北前船の船主が住んだ集落が同じ市の中に入っている。泊まる場所としては知られていても、「泊まる以外に何をするか」は意外と書かれていません。

この記事は、加賀市観光交流機構と加賀市の公式情報にある施設だけで、温泉地の外の1日を組んだものです。店の名前は書いていません。

3つの温泉地は、性格がまるで違う

山代温泉・古総湯(加賀市)
山代温泉・古総湯(加賀市)(写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと)

加賀市観光交流機構の公式サイトによると、3つの温泉はいずれも1,300年を超える歴史を持ちます。山中は渓谷、山代は町、片山津は湖。景色が違うので、同じ「加賀温泉郷」でも過ごし方が変わります。どこに泊まるかは加賀温泉郷は4つあるで先に決めておいてください(4つ目の粟津温泉は小松市です)。

山代温泉の古総湯は明治時代の総湯を復元したもので、ステンドグラスの浴室が残ります。片山津温泉の総湯は建築家・谷口吉生の設計で、湯船から柴山潟が見える。温泉に「入る」だけでなく「建物を見に行く」価値がある2軒です。

温泉地土地の性格共同浴場(総湯)歩いて行ける見どころ
山中温泉渓谷の温泉街。鶴仙渓に沿って旅館が並ぶ菊の湯。松尾芭蕉ゆかりの湯鶴仙渓、こおろぎ橋、あやとりはし、川床
山代温泉総湯を囲む「湯の曲輪」の町並み古総湯(明治の総湯を復元)と総湯九谷焼窯跡展示館、魯山人ゆかりの旧吉野屋門
片山津温泉柴山潟に面した湖畔の温泉総湯(谷口吉生設計・ガラス張り)柴山潟、白山連峰の眺め

鶴仙渓と川床。4月から11月、席料700円

山中温泉の中心を流れる大聖寺川の渓谷が鶴仙渓です。約1.3kmの遊歩道が整備され、こおろぎ橋・あやとりはし・黒谷橋の3本の橋が渓谷を渡ります。紅葉の名所でもあります。

あやとりはしのたもとに出るのが川床。営業は4月1日から11月30日、時間は10月末まで9時30分〜16時、11月は10時〜15時です。席料は大人700円・小学生600円で加賀棒茶が付き、菓子付きの川床セットは大人1,000円。予約はできず、雨天と川の増水時は中止です。宿泊者向けの割引もあります。

ここは温泉街から歩いて行ける距離なので、泊まった翌朝に組み込むのがいちばん楽です。

九谷焼と北前船。大聖寺と橋立で歴史を見る

九谷焼
九谷焼

加賀市の大聖寺は九谷焼の発祥地とされる場所で、石川県九谷焼美術館があります。開館は9時〜17時(入館16時30分まで)、月曜休館(祝日は開館)、入館料は一般560円、高校生以下無料、75歳以上280円。九谷焼と輪島塗が石川のどこで作られているかは九谷焼と輪島塗は何県の名産品かに地図感覚で書きました。

海側の橋立は、江戸から明治にかけて北前船の船主が集まった集落です。北前船の里資料館は船主の屋敷を使った施設で、入館料は大人350円、高校生以下無料。片山津温泉の近くには中谷宇吉郎 雪の科学館があり、こちらは大人560円。雪の結晶の研究で知られた物理学者の記念館です。

3施設を回るなら、加賀市の「市内文化施設共通入館券」が使えます。3日券が一般1,170円、1年券が2,340円で、九谷焼美術館・北前船の里資料館・雪の科学館・加賀市美術館・魯山人寓居跡いろは草庵・深田久弥山の文化館・九谷焼窯跡展示館・鴨池観察館・山中温泉芭蕉の館・加賀依緑園の10施設に入れます。3施設で1,470円になるので、2つ目から元が取れます。

回り方。キャン・バスは1回500円、1日券はもうない

加賀温泉郷の周遊バス「キャン・バス」は、JR加賀温泉駅を起点に温泉地と見どころを回ります。2024年12月の改定で1回乗車券(大人500円・小学生250円)が新設され、1日乗車券は2025年3月31日で販売を終えました。未就学児は大人1人につき1人無料です。

1回500円なので、3回以上乗るなら車のほうが安くなります。加賀温泉駅の周辺で借りる前提で、加賀温泉駅周辺の宿から近い順に見ておくと、車を返す時間から逆算できます。雨の日の逃げ場は小松・加賀は雨でも遊べるかに屋内施設を並べてあります。

東京からは北陸新幹線で加賀温泉まで最速2時間43分。金沢で降りずに来られます。名古屋・大阪からは敦賀で乗り換えて加賀温泉駅へ。

小松・加賀は雨でも遊べるかで、別の角度から書きました。

1日の組み立て例(車なし)

朝、山中温泉に泊まった宿を出て鶴仙渓を歩き、川床で加賀棒茶。キャン・バスで山代温泉に移動して古総湯に入り、九谷焼窯跡展示館へ。午後は大聖寺で九谷焼美術館、時間があれば橋立まで足を延ばして北前船の里資料館。夕方に片山津温泉の総湯で柴山潟を見ながら締める。

施設の入館料は共通3日券で1,170円、川床700円、総湯の入浴料、バス代がかかります。日帰りで金沢から来る場合は金沢から行く日帰り温泉を、加賀の個人店を探すなら加賀の個人店めぐりを合わせて見てください。

加賀の個人店めぐりに、もう少し細かく書きました。


Sightseeing

この記事に出てくる観光スポット

本文で触れた場所です。開いている時間や料金は、それぞれのページにまとめてあります。

片山津温泉柴山潟のほとりの温泉地。湖面とつながって見える「潟の湯」と「森の湯」、朝6時から入れる総湯について。ページを見る
山代温泉洗い場のない「古総湯」と現代的な「総湯」。2026年4月改定の入浴料と営業時間、二つの湯の使い分けを。ページを見る
山中温泉 こおろぎ橋鶴仙渓に架かる総ヒノキの橋。あやとりはしまで続く渓谷の遊歩道と、歩く時間の目安をまとめました。ページを見る