「九谷焼 輪島塗 といえば何県の名産品」で調べる人が毎月かなりいます。答えは1行で済みます。

答え:どちらも石川県

九谷焼も輪島塗も、石川県の伝統工芸です。片方が福井、片方が富山、ということはありません。

ただし「石川県」でひとくくりにすると、実態からは遠くなります。この2つは県内でも真逆の場所にあり、車で2時間ほど離れています。

九谷焼輪島塗
産地加賀地方(小松市・能美市・加賀市など)能登地方(輪島市)
位置県の南部県の北部
何のもの磁器(焼き物)漆器(塗り物)
見た目の特徴濃い色で絵を描く上絵付け黒や朱の塗り。沈金・蒔絵で加飾
金沢からの距離車でおよそ1時間車でおよそ2時間

金沢を起点にすると、九谷焼は南へ、輪島塗は北へ向かうことになります。1日で両方の産地を回るのは現実的ではありません。

九谷焼は「色」の焼き物

九谷焼
九谷焼

九谷焼は磁器です。土ではなく石を砕いた材料を焼くので、生地が白く硬くなります。

その白い面に、赤・黄・緑・紫・紺青といった濃い色で絵を描きます。これが上絵付けと呼ばれる技法で、九谷焼の見た目を決めている部分です。器の白がほとんど見えなくなるほど描き込むものもあれば、余白を大きく残すものもあります。

産地は加賀地方に散っていて、小松市・能美市・加賀市のあたりに窯元が集まっています。名前の由来になった九谷という土地は加賀市の山あいにあります。

値段の幅がとても広いのも特徴です。豆皿なら1,000円台から、作家の作品になると万単位になります。旅の土産に選ぶなら、豆皿や箸置きのように小さくて割れにくいものが扱いやすいです。

輪島塗は「工程の数」の漆器

輪島塗
輪島塗

輪島塗は木の器に漆を塗り重ねたものです。能登半島の先端近く、輪島市で作られています。

輪島塗が他の漆器と違うのは、下地に地の粉と呼ばれる珪藻土の粉を混ぜて塗り固めるところです。この下地があるので丈夫で、欠けても直しながら長く使えます。

工程は100を超えると言われ、木地・下地・上塗り・加飾がそれぞれ別の職人の仕事として分かれています。1つの椀が完成するまでに何人もの手を通ります。値段が高くなるのは、この分業の積み重ねがそのまま入っているからです。

加飾には、漆に沈めた線に金を埋める沈金と、漆で絵を描いて金粉を蒔く蒔絵があります。

石川に伝統工芸が多い理由

加賀友禅
加賀友禅

石川県にはこの2つ以外にも、加賀友禅・金沢箔・山中漆器・大樋焼などが残っています。1つの県にこれだけ揃っているのは全国でも多いほうです。

理由としてよく挙げられるのが、加賀藩が工芸を保護し、職人を各地から呼び寄せて技術を育てた歴史です。城下町の需要と、藩の後押しの両方があったことになります。

もう1つは、雪です。冬に外の仕事ができない期間が長い土地では、屋内でできる手仕事が育ちやすい。輪島塗のような手間のかかる分業が成り立ったのも、この事情と無関係ではありません。

どこで見られるか

国立工芸館(金沢市)
国立工芸館(金沢市)

九谷焼は、産地の資料館や窯元の店舗で見るのがいちばん早いです。小松・能美・加賀のあたりに集まっているので、加賀温泉に泊まる日程なら組み込みやすくなります。

輪島塗は輪島市が産地ですが、能登半島地震のあと、現地の状況は場所によって差があります。訪ねる前に、営業しているかを直接確認してください。

金沢市内でも、両方とも扱っている店があります。産地まで行く時間がない場合は、金沢で見るという選び方で問題ありません。器のお土産としての選び方は金沢のお土産、何を買えばいい?に書きました。

まとめ

  • 九谷焼も輪島塗も石川県のもの
  • 九谷焼は加賀地方(県の南)の磁器。濃い色の絵付けが特徴
  • 輪島塗は輪島市(県の北)の漆器。地の粉の下地と、100を超える工程
  • 産地どうしは車で2時間離れているので、1日で両方は回りにくい

石川の名物をひととおり知りたい場合は、石川県の有名なもの20選にまとめてあります。

写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと


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