冬の石川に行こうと考えたとき、いちばん判断しづらいのが雪です。雪が見たくて行くのか、雪を避けたくて日程をずらすのか。どちらにしても「いつ、どれくらい降るのか」が分からないと決められません。

気象庁が出している平年値(1991年から2020年の30年平均)を、金沢と輪島の2地点で並べました。加賀側の代表として金沢、能登側の代表として輪島です。30年分の平均なので、その年ごとの当たり外れはありますが、「ふつうの年ならこうなる」の基準としては、これがいちばん確かです。

雪は12月に始まり、1月が山、3月には終わる

兼六園(金沢市)
兼六園(金沢市)

まず金沢から。ひと月に降った雪の深さを合計した「降雪の深さ合計」と、その月にいちばん積もったときの深さ「最深積雪」の平年値です。

金沢降雪の合計最深積雪
11月1cm0cm
12月24cm10cm
1月67cm22cm
2月53cm15cm
3月13cm7cm
4月0cm0cm
年間157cm26cm

読み取れることは3つです。

  • 11月はほぼ降らない。平年で1cmです。紅葉の時期に雪を心配する必要はありません
  • 12月に入ると降りはじめる。ただし積もるのは10cm程度で、街が埋まるほどではありません
  • 1月と2月が本番。この2か月で年間の76%が降ります

3月になると13cmまで落ちて、4月にはゼロ。雪のシーズンは実質12月から3月上旬までと考えて差し支えありません。

意外:能登より金沢のほうが雪が多い

輪島朝市(輪島市)
輪島朝市(輪島市)

能登は北にあるから雪が深い、と思われがちです。数字は逆でした。

金沢輪島
12月の降雪24cm18cm
1月の降雪67cm54cm
2月の降雪53cm42cm
3月の降雪13cm8cm
年間の降雪157cm121cm
年間の最深積雪26cm21cm

どの月をとっても、金沢のほうが輪島より多く降ります。年間では36cmの差です。輪島は海に囲まれていて気温が下がりきらず、雪ではなく雨になる日が多い。一方の金沢は、白山からの地形の影響で雪雲が発達しやすい場所にあります。

ただしこれは沿岸部の観測所どうしの比較です。白山ろくや奥能登の内陸に入れば話は別で、山間部は桁が変わります。金沢市内でも、湯涌や医王山のあたりは市街地よりずっと積もります。

積もる量は「膝まで」ではない

ひがし茶屋街(金沢市)
ひがし茶屋街(金沢市)

雪国のイメージで身構える方が多いのですが、金沢の最深積雪の平年値は1月で22cm、年間を通しても26cmです。くるぶしから、深くてもふくらはぎの手前。ふつうの年なら、街を歩けなくなるほどは積もりません。

もちろん平年値は平均です。数年に一度、一晩で50cmを超えるような大雪が来ます。そういう日は交通が止まり、街の動きが変わります。「ふだんは20cm前後、ただし数年に一度は別物」という二段構えで考えておくのが現実的です。

雪より、雨と曇りのほうが問題かもしれない

石川県立図書館 百万石ビブリオバウム(金沢市)
石川県立図書館 百万石ビブリオバウム(金沢市)

冬の石川で本当に効いてくるのは、実は雪ではありません。降水量と日照時間です。

金沢降水量日照時間
8月(夏)179.3mm215.9時間
11月250.8mm108.6時間
12月301.1mm68.9時間
1月256.0mm62.3時間
2月162.6mm86.5時間

12月が年間でいちばん降ります。301.1mmで、8月の179.3mmを大きく上回る。日本海側の冬は「雪の日」ではなく「雨か、みぞれか、雪か分からない日」が続きます。

日照時間はもっと極端です。1月の62.3時間は、1日あたり2時間。輪島の1月に至っては41.8時間で、1日1時間半しか陽が出ません。冬の石川に行くなら、傘は必ず持ってください。晴れを前提にした旅程を組むと、まず崩れます。

「弁当忘れても傘忘れるな」という地元の言い回しは、この数字のことを言っています。冬の服装と持ち物は金沢の天気と服装|月別の気温と、雨・雪の日に要るものにまとめました。

この数字の限界

手取峡谷と綿ヶ滝(白山市)
手取峡谷と綿ヶ滝(白山市)
  • 平年値は1991年から2020年の30年平均です。その年の実際とは違います
  • 観測地点は金沢地方気象台と輪島特別地域気象観測所。どちらも沿岸の平地です。山間部の値ではありません
  • 初雪の日そのものは年によって前後します。ここでは月ごとの量で見ています

いつ行くかの目安

兼六園の紅葉(金沢市)
兼六園の紅葉(金沢市)
行きたいもの時期
雪を見ずに冬の味を食べたい12月上旬。カニは解禁済みで、雪はまだ本格化しない
雪景色が見たい1月中旬から2月中旬。確率がいちばん高い
雪吊りだけ見たい11月から。雪がなくても雪吊りは立っています
雪を避けたい3月下旬以降。3月でも13cm、4月はゼロ

雪吊りは11月1日から作業が始まり、雪が降る前から見られます。詳しくは兼六園の雪吊りはいつから?をどうぞ。冬の石川で何が食べられて何が見られるかは冬の金沢の過ごし方にまとめています。

車で行く場合にタイヤをどうするかは石川の冬、レンタカーにスタッドレスは要る?で、この記事と同じ平年値をもとに考えました。

出典:気象庁「過去の気象データ・平年値(1991〜2020年)」金沢・輪島

写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと


Sightseeing

この記事に出てくる観光スポット

本文で触れた場所です。開いている時間や料金は、それぞれのページにまとめてあります。

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