金沢の冬は、晴れの日が少なく、雨と雪が交互に来ます。旅行先としては敬遠されがちですが、この季節にしかないものがはっきりある土地でもあります。カニ、雪吊り、そして人の少ない観光地。この記事では、冬に来る人向けに見どころと現実的な過ごし方をまとめました。
冬にしか食べられないもの
石川のカニ漁は毎年11月6日に解禁します。オスのズワイガニが「加能ガニ」、メスが「香箱ガニ」。
知っておきたいのは漁期の差です。加能ガニは翌年3月20日ごろまで獲れますが、香箱ガニは12月29日まで。産卵前のメスを守るため、2か月弱で終わります。内子と外子を目当てに来るなら、11月から12月に日程を取るしかありません。
金沢おでんの「カニ面」も同じ期間だけです。香箱ガニの甲羅に身と卵を詰めて出汁で炊いたもので、1個で1,000円を超えることもあります。冬の金沢でこれを目当てに店を選ぶ人がいるくらいの一品です。
雪吊りの兼六園
冬の兼六園には、木を雪の重みから守るための雪吊りが立ちます。円錐形に縄を張った姿は金沢の冬の象徴で、写真で見たことがある人も多いはずです。
10月16日から2月末までの開園は8時から17時(最終入園16時30分)。冬は日が短いので、午後に行くと閉園が早く感じます。園内は砂利と坂なので、雪の日は滑りにくい靴が必須です。長町武家屋敷跡の土塀に藁のむしろを掛ける「こも掛け」も、だいたい12月から3月ごろの景色です。
寒い日・雨の日の逃げ場

冬の金沢では、屋内で時間を潰せる場所を最初から旅程に入れておくと楽になります。天気が崩れてから探すと、どこも混んでいます。
おすすめは石川県立図書館です。入館無料で、吹き抜けのグレートホールと100種類500席の椅子がある。写真撮影も会話も認められているので、静かにしなければという緊張がありません。金沢21世紀美術館の交流ゾーンも無料で、こちらは夜22時まで開いています。
もう少し小さい場所なら、金沢蓄音器館。1日3回、蓄音器の聴き比べ実演があり、入館料は310円です。鈴木大拙館は水鏡の庭を眺めて座るための場所で、冬の静けさとよく合います。
冬の服装と足元
金沢の冬でいちばん困るのは寒さより足元です。雪が積もる日より、降った雪が解けて路面が濡れている日のほうが多い。防水の靴か、少なくとも濡れても平気な靴で来てください。
傘は持っていても、風が強い日は役に立ちません。フード付きの上着があると移動が楽になります。市内の移動はバスが中心になるので、脱ぎ着しやすい服装のほうが快適です。
冬は、宿にいる時間を長めにとる
冬の金沢は、外にいる時間が短くなります。雪と雨で予定が崩れるのを前提に、宿を「戻る場所」として選んでおくと、その日が台無しになりません。街なかでも大浴場のある宿があるので、濡れて帰ってすぐ湯に入れる。
観光から戻ってそのまま大浴場へ。冬はこれが効きます。
カニを目当てに来るなら、宿の夕食で食べてしまうのがいちばん確実です。加賀温泉郷や和倉には、冬にカニを出す旅館が多くあります。
冬の献立を出す旅館。予約は早いほど選べます。
冬に来る利点
人が少ないことです。兼六園もひがし茶屋街も、春や秋に比べれば歩きやすい。宿の値段も落ち着きます。天気が読めないぶん予定は崩れやすいので、屋内の候補を2つか3つ持ったうえで、その日の空模様で決める。そういう組み立てができる人には、冬の金沢は向いています。
Sightseeing
この記事に出てくる観光スポット
本文で触れた場所です。開いている時間や料金は、それぞれのページにまとめてあります。
