冬の金沢の写真といえば、まず出てくるのが兼六園の雪吊りです。松の幹から縄を放射状に張って枝を吊る、あの姿。
ただ、あれは一年中あるものではありません。秋の終わりに人の手で作られ、春に外されます。いつ行けば見られるのかを、作業の進み方から整理します。
雪吊りの年間スケジュール

| 時期 | 何が起きるか |
|---|---|
| 例年11月1日 | 作業開始。唐崎松から着手 |
| 11月〜12月中旬 | 順に作業を進め、園内を一巡 |
| 12月中旬〜3月中旬 | すべての木に雪吊りがある状態 |
| 3月中旬 | 取り外し作業 |
つまり、確実に園内全体の雪吊りを見たいなら12月中旬以降。11月に行くと、作業中の木と、まだの木が混在した状態を見ることになります。
これはこれで面白い光景です。職人が縄を張っている作業そのものを見られるのは11月だけなので、「完成形を見たい」のか「作っているところを見たい」のかで行く時期が変わります。
11月1日に唐崎松、ただし断定はできない

作業初日に手をつけるのは、園内でいちばん有名な唐崎松(からさきのまつ)です。霞ヶ池のほとりに枝を大きく広げた黒松で、雪吊りの写真の多くはこの木です。
「11月1日9時に唐崎松から」というのは、県の発表が長年にわたって一貫している内容で、ほぼ毎年この形です。
ただし、雨天の場合は順序が変わります。低い木から先に始め、唐崎松は3〜4日ほど後ろにずれることがあります。実際に2025年は11月4日の実施でした。
なので、「11月1日に行けば唐崎松の作業が見られる」とは言い切れません。その年の日程は、例年10月24日〜30日ごろに金沢城・兼六園管理事務所から発表されます。初日を狙うなら、10月末に発表を確認してから宿を取るのが確実です。
作業の規模

一本の木に縄を張るだけの話ではありません。園内全体では、こういう規模になります。
| リンゴ吊り | 約50本 |
| 幹吊り | 約59本 |
| 使うわら縄 | 約4トン |
| 延べ作業人数 | 約500人 |
| 唐崎松の芯柱 | 5本 |
| 唐崎松に使う縄 | 約800本 |
唐崎松だけで縄が約800本。これが1本の木にかかる手間です。約1か月半かけて園内を一巡すると聞くと大変そうですが、この数字を見ると納得がいきます。
「リンゴ吊り」というのは、芯柱を立てて上から縄を放射状に下ろす、いちばんよく知られた形のこと。りんごの木を雪から守るために使われた手法が名前の由来とされています。幹吊りは柱を立てず、木の幹から直接縄を張る方法です。園内を歩くと両方あるので、見比べてみてください。
見に行くならいつがいいか
目的別にまとめます。
- 完成した園内をひととおり見たい → 12月中旬〜3月上旬
- 雪と一緒に見たい → 12月下旬〜2月。ただし雪は運
- 作業を見たい → 11月(日程は10月末の発表を確認)
- 紅葉と一緒に見たい → 11月中旬〜下旬
最後の「紅葉と雪吊り」は、兼六園ならではの組み合わせです。金沢の紅葉は11月中旬から下旬が見頃なので、作業の進んだ雪吊りと紅葉が同時に見られる期間が生まれます。この時期の兼六園については兼六園・金沢城の紅葉にまとめました。
夜に見るなら、秋のライトアップが11月の土日に開催されます。時間中は入園無料です。日程は兼六園ライトアップ 秋は9月19日からで確認してください。
雪を期待して行く場合の注意
雪吊りに雪が積もった写真は美しいのですが、金沢の市街地は毎日雪が積もるわけではありません。降ってもその日のうちに溶けることがよくあります。
「雪の兼六園」を狙って日程を組むのは、正直かなり運の要素が大きい。雪吊りそのものは12月中旬以降なら確実に見られるので、そちらを主目的にして、雪が積もっていたら幸運、くらいの構えをおすすめします。
冬に行く場合の服装と足元については金沢の服装は?を見てください。園内は道が凍ることがあるので、靴は真剣に選んだほうがいいです。冬の金沢の過ごし方全般は冬の金沢の過ごし方にまとめています。
無料で入れる日と時間
兼六園には早朝の無料開園があり、時期によって時間が変わります。ライトアップ期間中も無料になる日があります。詳しくは兼六園に無料で入る方法まとめに整理しました。
朝いちばんは人が少ないので、雪吊りを落ち着いて見るなら早朝は有力な選択肢です。
まとめ
- 作業開始は例年11月1日、唐崎松から
- ただし雨天だと順序が変わり、唐崎松は3〜4日ずれることがある(2025年は11月4日)
- その年の日程は10月24日〜30日ごろに管理事務所から発表
- 園内を一巡するのは12月中旬。確実に全体を見たいならそれ以降
- 外すのは3月中旬
- 規模はわら縄約4トン、延べ約500人、唐崎松だけで縄約800本
雪が降らなくても雪吊りはあります。12月中旬から3月上旬なら、いつ行っても見られる。そう考えると予定が立てやすくなります。
写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと
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