金沢の冬に何を着るかを、気象庁の平年値(1991〜2020年、金沢地方気象台)から逆算します。12月・1月・2月で変えるべきなのは、厚着の量ではありません。
金沢の1月の平均気温は4.0℃。東京の5.4℃と1.4℃しか違わないのに体感が別物になる理由と、そこから決まる靴・傘・重ね着の話です。
先に結論|12月・1月・2月で変えるのは「濡れ方」への備え
金沢の冬は、3か月とも平均気温が4.0〜6.8℃に収まります。月ごとに変わるのは寒さの深さではなく、空から降ってくるものです。
12月は雨が主役で、月降水量301.1mmは金沢の12か月でいちばん多い月にあたります。1月になると雪に切り替わり、雪日数は月22.7日、降雪の深さの合計は67cmまで増えます。2月は雪日数19.9日と1月に近いまま、降水量だけが162.6mmに落ちて晴れ間が増える。
- 12月:防水のアウターと傘。靴は濡れてもいいもの。雪より雨に備える
- 1月:滑り止めのある防水の靴、手袋、耳が隠れる帽子。傘を差せない日がある
- 2月:装備は1月のまま。ただし日照が戻るので、屋外で脱げる服にしておく
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気象庁の平年値で見る、金沢の12月・1月・2月

目を引くのは日照時間です。金沢の1月は62.3時間。同じ平年値で東京は192.6時間なので、およそ3分の1しかありません。1日あたりにならすと2時間ほど。曇りか雪の空がずっと続く、という意味の数字です。
気温のほうは東京と大きく違いません。1月の平均気温は金沢4.0℃に対して東京5.4℃。それでも金沢が明らかに寒く感じるのは、雪日数が金沢22.7日・東京2.8日という差のとおり、濡れた空気と風が常にあるからです。気温表だけを見て服を決めると、必ず足りなくなります。
月ごとの数字をまとめて見たいときは、金沢の天気と服装を月別に並べた記事のほうが早い。9月から11月にかけての気温の落ち方は、秋の服装の記事に書いてあります。
関連:金沢の秋は何を着る?9月・10月・11月、気温の落ち方が月ごとに違います
| 項目 | 12月 | 1月 | 2月 |
|---|---|---|---|
| 平均気温 | 6.8℃ | 4.0℃ | 4.2℃ |
| 日最高気温 | 10.2℃ | 7.1℃ | 7.8℃ |
| 日最低気温 | 3.5℃ | 1.2℃ | 1.0℃ |
| 降水量の合計 | 301.1mm | 256.0mm | 162.6mm |
| 降雪の深さの合計 | 24cm | 67cm | 53cm |
| 最深積雪 | 11cm | 27cm | 22cm |
| 雪日数 | 14.5日 | 22.7日 | 19.9日 |
| 日照時間 | 68.9時間 | 62.3時間 | 86.5時間 |
なぜ「みぞれ」の日が多いのか|日本海側の冬のしくみ
気象庁の解説では、冬の日本付近はシベリア高気圧とアリューシャン低気圧がともに強まり、等圧線が縦縞模様に並ぶ冬型の気圧配置になります。そこへ北西の季節風が吹いて、シベリアからの寒気を運んでくる。
この冷たい季節風が山に当たって上昇気流となり、雲が発生する。だから日本海側は雪の日が多く、山沿いを中心に3mを超す積雪になる所もあります。同じ風が山を越えると乾いた風になり、太平洋側は晴れの日が多くなる。金沢と東京の日照時間の差は、この一本の風が作ったものです。
ただし金沢の平地では、その雪がしばしば雨と混ざります。1月でも日最低気温の平年値は1.2℃、日最高は7.1℃で、氷点下まで下がりきらない。降ってくるものが雨と雪のあいだで揺れます。気象庁はみぞれを「雨と雪が混在して降る降水」と定義していて、予報文では扱いにくいため「雨か雪」「雪か雨」と表現することが多い、としています。金沢の冬の予報にこの言い回しが並ぶのは、そのためです。
服装の話に直すと、こうなります。金沢の冬に備えるべきは「氷点下の寒さ」ではなく「0℃台の濡れ」。ダウンの厚みを1段上げるより、いちばん外側を水を通さないものにするほうが効きます。
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靴と傘|金沢の冬は、上からより足元から濡れる
冬の金沢で最初に困るのは足元です。降った雪はすぐシャーベットになり、道路には水が流れています。
石川県は道路の消融雪施設について、路面に積雪等を確認したとき、または降雪により路面上に積雪が生じるおそれがあるときに、地下水や河川水、ヒーター等で路面上の雪を消融雪すると作動基準を公表しています。除雪車の出動基準は、重点除雪路線で新たな積雪が5cmに達したとき、第1種から第3種の路線では10cmに達したとき。街なかの路面は、雪に覆われている時間より濡れている時間のほうが長いということです。
だから靴に要るのは2つだけ。防水であることと、靴底に溝があること。布のスニーカーは1日で中まで染みます。つるつるの革底とヒールは、濡れたマンホールの蓋や横断歩道の白線の上でよく滑る。足首まであるブーツなら、シャーベットを踏み抜いても中に入りません。
傘も持っていってください。金沢市の観光公式サイトも「弁当忘れても傘忘れるな」と言われるほど1日の中で天気がよく変わる街だと書いています。ただし風の強い日は差しても役に立ちません。フードのついた防水アウターが1枚あると、傘が使えない時間帯をしのげます。折りたたみを1本、鞄に入れっぱなしにしておくのが結局いちばん楽です。
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屋内は暖かい|1枚脱いで、鞄に入る厚みにする
外が濡れて寒い分、金沢の建物の中は暖房がよく効いています。美術館も、駅の商業施設も、飲食店も、外との差が大きい。厚手のセーターを着込んで入ると、上着を脱いだだけでは汗をかきます。
答えは重ね着です。薄手を3枚重ねて、いちばん外を防水のアウターにする。中間の1枚はカーディガンやフリースなど、脱いだときに鞄へ収まる厚みのものを選ぶ。これだけで屋内外の行き来が楽になります。
もうひとつ、冬の金沢は日が短い。兼六園は10月16日から2月末日まで8時から17時(最終入園16時30分)、入園料は大人320円・小人100円です。閉園時刻まで外にいると、昼とはまったく違う冷え方をします。昼の暖かさで服を決めると、16時に後悔します。
雪の日でも、行き先はある

天気が悪いことを前提に組めば、冬の金沢は動けます。降っている日は屋内の施設を、晴れ間が出た日に庭や街歩きを、と順番を入れ替えられるようにしておく。
雪吊りがいつ始まって、どの松から架けられるのかは、兼六園の雪吊りの記事にまとめました。12月から2月にかけて何が食べられて何が見られるのかは、石川の冬ガイドのほうが早い。
年末年始に行くなら、休みの日程だけ先に調べておいてください。市場も庭園も飲食店も動きが読みにくい時期です。年末年始に何が開いているかを確かめてから、行く順番を決めるほうが失敗しません。
関連:石川の冬ガイド
Sightseeing
この記事に出てくる観光スポット
本文で触れた場所です。開いている時間や料金は、それぞれのページにまとめてあります。
