楽しみにしていた金沢旅行の週間予報が、雨マークで埋まっている。がっかりする気持ち、よく分かります。でも先に結論をお伝えすると、金沢は雨の日にこそ本領を発揮する街です。

気象庁の平年値によると、金沢の1年の降水日数は177.3日。東京の102.5日に対して約1.7倍で、1年の半分近くは雨か雪が降っています。つまり金沢の暮らしも観光も、最初から雨とともに設計されているのです。金沢駅の「もてなしドーム」からして、「雨や雪の多い金沢で、駅を降りた人に傘を差し出すおもてなしの心」をコンセプトに作られています。

地元の店を取材して回っている石川まんでいいところ編集部が、雨の日の金沢の過ごし方を、屋内スポット14か所とあわせてまとめました。営業時間や料金は執筆時点の情報なので、最新は各施設の公式サイトで確認してください。

金沢は「弁当忘れても傘忘れるな」の街

北陸には「弁当忘れても傘忘れるな」という言い伝えがあります。それくらい天気が変わりやすく、雨が多い土地柄だということです。だからこそ金沢には、アーケードのかかった市場、密集する美術館、駅直結の商業施設と、雨を前提にした楽しみが揃っています。雨予報は「行程を屋内型に組み替えるサイン」くらいに構えておけば大丈夫です。

美術館・博物館をはしごする(兼六園周辺)

兼六園のまわりは「文化の森」と呼ばれるほど美術館・博物館が密集していて、傘を差す時間は移動のわずかな区間だけで済みます。

  • 金沢21世紀美術館: 無料の交流ゾーンだけでも楽しめます。展覧会ゾーンは10:00〜18:00(金土は20:00まで)、月曜休
  • 石川県立美術館: 古九谷など加賀の美術工芸が揃います。コレクション展は一般370円、会期中は無休
  • 国立工芸館: 県立美術館のすぐ隣。工芸の名品を静かに見られます(月曜休)
  • 鈴木大拙館: 「水鏡の庭」が雨粒で波紋を広げる様子は、晴れの日より美しいという声もあるほどです。一般310円、月曜休

ここで知っておきたいのが、金沢市内17の文化施設に入れる共通観覧券です。1日パスポートが520円、3日間で830円。安江金箔工芸館や蓄音器館などの対象施設を2つ回るだけで元が取れる計算で、雨の日のミュージアムはしごとの相性は抜群です。

茶屋街エリアは「屋内の楽しみ」に切り替える

ひがし茶屋街の散策が雨で短くなっても、このエリアには屋内の受け皿がいくつもあります。

  • 金沢市立安江金箔工芸館: 金沢の金箔文化を学べます。一般310円、火曜休
  • 金沢蓄音器館: 蓄音器の聴き比べ実演を1日3回開催。雨音の日にレトロな音色が沁みます。一般310円、火曜休
  • 金箔貼り体験(かなざわカタニ): 約60分の屋内体験で、ストラップなら1,000円から。要予約です

注意したいのは、このエリアの市立ミュージアムは火曜休が多いことです。多くの美術館が月曜休なのと逆なので、旅程を組むときに覚えておくと役立ちます。

濡れずに食べる・買う

近江町市場の店先
アーケードのかかった近江町市場。雨でも傘いらずです(写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと)
  • 近江町市場: アーケードがかかっているので、雨でも傘なしで海鮮丼と食べ歩きが楽しめます(歩き食べは禁止、止まり食いで)
  • 金沢百番街「あんと」: 金沢駅直結。お土産と食事が駅から一歩も出ずに完結します。最終日が雨ならここに寄せるのが正解です
  • 香林坊・片町: 片町商店街には約600mのアーケードがあり、香林坊大和・アトリオの地下食品フロアで銘菓のまとめ買いもできます

じっくり過ごす場所

石川県立図書館
「本の劇場」と呼ばれる石川県立図書館(写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと)
  • 石川県立図書館: 「本の劇場」と呼ばれる円形の大書架空間。入館無料で、雨の半日を静かに過ごせます(月曜休)
  • 金沢市老舗記念館: 藩政時代の薬種商の建物での屋内展示。観覧料100円、長町武家屋敷跡エリアにあります
  • 妙立寺(忍者寺): 仕掛けだらけの堂内をガイド付きで巡る完全屋内型。大人1,200円で電話予約制です
  • 和菓子手づくり体験(石川県観光物産館): 職人に教わって上生菓子を作る約30〜40分の体験。1,800円で500円の買物券付きです

雨だからこそ美しい金沢もある

主計町茶屋街
浅野川沿いの主計町茶屋街。雨に濡れた石畳も風情があります(写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと)

屋内に逃げ込むだけが雨の金沢ではありません。金沢市観光協会の公式サイトには「雨に風情増す庭園と穴場の屋内スポット巡る」という雨の日専用モデルコースがあり、雨に濡れて緑が映える兼六園周辺を公式が推しています。

石畳が濡れて鈍く光る茶屋街、雨粒が波紋を描く鈴木大拙館の水鏡の庭、苔が生き返る庭園。傘を差して歩く価値のある風景が、この街には確かにあります。降っているからこそ観光客が減って、しっとりした金沢を独り占めできるという側面もあります。

雨の日は、宿に戻る時間を作っておく

雨の日は、屋内の行き先を増やすより、一度宿に戻る時間を予定に入れたほうが楽です。濡れた靴を乾かして、風呂に入って、夕方からまた出る。大浴場のある宿ならこの切り替えがきれいに決まります。

街なかで大浴場に入れる3軒。乾かして、温まって、また出られます。

雨の日の服装と持ち物

  • 足元は濡れてもいい靴で。石畳は滑りやすいので底がフラットなものは避けたいところです
  • 折りたたみ傘より長傘が安心です。風を伴う雨が多いためです
  • 美術館はしごをするなら、荷物はコインロッカーか宿に預けて身軽に

まとめ

金沢の雨は、旅の予定を壊すものではなく、行程を組み替える合図です。美術館をはしごして、アーケードの市場で海鮮丼を食べて、雨の庭園を眺める。年の半分が雨の街には、雨の日の正解がちゃんと用意されています。

市内の穴場スポットは金沢観光の穴場スポット18選で、近江町市場の回り方は近江町市場の歩き方ガイドで詳しく紹介しています。


Sightseeing

この記事に出てくる観光スポット

本文で触れた場所です。開いている時間や料金は、それぞれのページにまとめてあります。

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