金沢駅から歩いて15分ほど、約170の店がひしめく近江町市場は、300年にわたって「金沢市民の台所」であり続けてきた市場です。海鮮丼を目当てに全国から観光客が集まりますが、初めてだと迷うことも多いはずです。「どの店に入ればいいの?」「行列は避けられる?」「夜もやってる?」。

地元の店を取材して回っている石川まんでいいところ編集部が、海鮮丼の人気店から食べ歩きのルール、混雑を避けるコツまで、近江町市場の歩き方をひととおりまとめました。

営業時間や価格は執筆時点の情報で、店舗ごとに変わることがあります。最新情報は市場の公式サイトや各店でご確認ください。

近江町市場の基本情報

  • 場所: 金沢市上近江町50(金沢駅から徒歩12〜15分、バスなら約5分で「武蔵ヶ辻・近江町市場」下車)
  • 営業時間: 店舗により異なりますが、9:00〜16:00頃が中心。生鮮品店は17:00頃まで、飲食店には夜まで営業する店もあります
  • 定休日: 店ごとに異なります。水曜休みの店が比較的多く、1月1日〜4日は市場全体がほぼお休みです
  • 駐車場: 市場直結が3か所(近江町パーキング・ふれあい館・いちば館)
  • 歴史: 享保6年(1721年)に加賀藩が市場を集めたのが始まり。300年続く市場です

屋根のあるアーケード型なので、雨の日でも傘なしで歩けます。天気が崩れた日の行き先としても頼れる場所です。

まずは海鮮丼。タイプ別の人気店

海鮮丼
旬のネタがのった海鮮丼(写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと)

近江町の海鮮丼はどの店も水準が高いので、「どこが一番」より「自分の旅程に合う店」で選ぶのがコツです。タイプ別に紹介します。

王道の一杯を食べたい

  • 井ノ弥(いのや): 金沢の海鮮丼発祥といわれる店です。常時40種以上の丼があり、一番人気は「ちらし近江町得盛」。市場でも特に行列ができる店なので、時間に余裕を持って(火曜定休)
  • 近江町 山さん寿司 本店: 創業60年。18種のネタがのる海鮮丼が名物で、朝9時から開いています
  • 近江町海鮮丼家 ひら井: 14種の海鮮を盛った「近江町海鮮丼」2,900円。能登の食材にこだわった丼もあります

朝から食べたい・行列を避けたい

  • ゆたか水産: 朝7時開店。魚屋が仕入れた食材を料亭出身の板前が握ります
  • いきいき亭: こちらも朝7時から。朝海鮮丼の定番です
  • もりもり寿し 近江町店: 朝8時から開く人気回転寿司。回転寿司といっても北陸の水準です

丼以外の選択肢

  • 鮨処 源平: 創業約60年の老舗鮨店。にぎりセットは2,200円から
  • 海鮮丼 ひかりや: 出汁茶漬けにして二度楽しめる海鮮丼が看板です

食べ歩きグルメ。ルールは「止まり食い」

市場の鮮魚店
市場の鮮魚店。買い食いは指定スペースで

先に大事なことをひとつ。近江町市場では歩きながらの飲食は禁止されています。買った店の前や指定のスペースで立ち止まって食べる「止まり食い」がルールです。働く人と買い物客の邪魔にならないよう、ここだけは守って楽しみましょう。

  • 近江町コロッケ: 昔風コロッケから、のどぐろ・甘エビ入りのご当地コロッケまで250〜480円
  • 大口水産の焼き焼きコーナー: ホタテ串やイカ下足串を朝9時から炭火で。イートインコーナーもあります
  • 川木商店: 能登産の殻付き牡蠣を炭火でその場で。うなぎ串やどじょうの蒲焼きも名物です
  • フルーツ坂野: 創業約80年の果物店。季節のカットフルーツや、オレンジを丸ごとくり抜いたジュースが人気
  • 豆餅 すゞめ: 塩豆大福などの素朴な和のおやつ。食べ歩きの締めにどうぞ
  • 能登牛 串焼き・炙り寿司 たくみ: 能登牛の串焼きと炙り握りを立ち食いスタイルで

夜の近江町はどうなる?

市場の物販店は夕方16〜17時頃までに閉まるので、「夜に市場の雰囲気を楽しむ」ことはできません。昼間の立ち飲みフードコート「いっぷく横丁」も17時までです。

ただし、市場内と周辺には夜営業の飲食店がいくつもあります。海鮮居酒屋の近江町食堂は22時まで、刺身屋は21時まで。夜は「市場の中の居酒屋で一杯」と考えれば、むしろ観光客が減って落ち着いた時間になります。

混雑を避けるコツは「朝」に尽きる

  • 朝7〜8時台は別世界: ゆたか水産・いきいき亭は7時、もりもり寿しは8時開店。週末でも朝は並ばずに入れることが多い時間帯です
  • 週末の11時以降は行列必至: 人気店は覚悟が必要です。昼にするなら開店直後の10時台か、14時以降に
  • 水曜は休みの店が多め: 店の数を重視するなら水曜以外に
  • カニの季節は朝勝負: 香箱ガニの「かに面」などは早い時間に売り切れることがあります
  • 年末はケタ違いの混雑: 12月30日・31日は買い出し客で通路が埋まります。観光目的なら年末は午前の早い時間に

朝いちばんに行くなら、市場の近くに泊まる

混雑を避ける方法は結局のところ朝に行くことですが、その朝に間に合うかどうかは前の晩どこにいたかで決まります。近江町から歩ける宿に泊まっていれば、9時台の空いている市場に無理なく立てます。

ひがし茶屋街と市場の徒歩圏、そして駅直結の2軒です。

まとめ

近江町市場を楽しむコツをひとことで言えば「朝に行って、止まり食いで、気になった店に入る」です。市場は観光施設ではなく、今も現役の台所です。働く人たちの威勢のいい声を聞きながら、旬の一杯を選ぶ時間そのものが、金沢観光のハイライトになるはずです。

朝の市場の空気は、こちらの読み物でも書いています。あわせてどうぞ。


Sightseeing

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