石川の冬というとカニの話ばかりになりますが、地元でよく食べられているのは牡蠣のほうかもしれません。カニは値段が上がりすぎて、正直そう頻繁には食べません。牡蠣は、冬のあいだずっと食卓にあります。
能登の牡蠣がいつからいつまでで、どこで食べられて、何が特徴なのか。順番にまとめます。
先に答えを書きます。能登の真牡蠣(能登かき)のシーズンは、11月から5月。石川県観光連盟の案内では、七尾産の旬は寒さがいちばん厳しい1月〜2月、穴水産は身の入りが遅く、桜の咲くころの前後が旬です。夏の6月〜8月は、外海の岩牡蠣に入れ替わります。
能登牡蠣のシーズンは11月から5月|旬は七尾が1〜2月、穴水は桜のころ

能登の真牡蠣は、おおむね11月から5月が食べごろです。冬から春にかけて身が育ち、七尾湾の七尾産は年明けから2月、穴水湾の穴水産は身の入りが遅く、桜の咲くころの前後に、いちばん厚みが出ます。
| 時期 | 状態 |
|---|---|
| 11月〜12月 | 出はじめ。身は小ぶりだが味は澄んでいる |
| 1月〜2月 | 七尾産がいちばん身が入る時期。焼き牡蠣が旨い |
| 3月〜4月 | 穴水産の旬。桜の咲くころの前後 |
| 5月 | 終盤。穴水町のかきまつり(冬の陣)は2026年は5月6日まで |
| 6月〜8月 | 真牡蠣は休み。かわりに岩牡蠣の季節になる |
ここで混同しやすいのが真牡蠣と岩牡蠣です。冬に食べるのが真牡蠣、夏に食べるのが岩牡蠣で、別のものです。「牡蠣は冬」も「牡蠣は夏」も、どちらも石川では正しい。夏の岩牡蠣については夏の金沢グルメ案内に書いています。
能登の岩牡蠣のシーズンは6月から8月
岩牡蠣は、JF全漁連のプライドフィッシュに「いしかわの岩がき」として載っていて、旬は6月〜8月です。真牡蠣は夏から秋に産卵して身がやせますが、岩牡蠣は産卵期でも少しずつしか栄養を使わないので、夏でも身が太ったままだと説明されています。
七尾湾で育てる真牡蠣と違い、石川の岩牡蠣は天然もので、海女が素潜りで一つずつ獲ります。主な水揚げ港は柴垣漁港・高浜漁港・輪島港・蛸島漁港。夏に能登で牡蠣を食べるなら、七尾湾ではなく外海側の岩牡蠣を探すことになります。
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能登牡蠣の産地は七尾湾|穴水町と七尾市中島町

能登の牡蠣が育つのは、七尾湾です。能登半島が内側に抱えこんでいる、波の静かな内海。ここに穴水町と七尾市中島町の養殖いかだが並びます。
- 穴水町:七尾湾の奥につながる穴水湾の、入り組んだ入り江。牡蠣の町として知られ、冬から春にかけて牡蠣を出す店が並びます
- 七尾市中島町:能登かきを看板にする店が多く、のと鉄道の能登中島駅が玄関口です
七尾湾は、川から山の養分が流れこみ、外海の波が入らない。牡蠣にとって条件がそろった湾で、能登かきは1年で出荷できるほどに育つと、ななお・なかのとDMOは説明しています。能登の牡蠣は殻が小ぶりで、身が詰まっていると言われるのは、この環境によるものです。
七尾湾・中島町の楽しみ方|電車で日帰りもできる
中島町は、車がなくても行ける産地です。金沢駅からJRで七尾駅へ出て、のと鉄道に乗り換えて約20分で能登中島駅。県の観光サイトも、金沢から電車で能登中島へ牡蠣を食べに行く日帰りの回り方を紹介しています。駅から歩ける範囲に、牡蠣漁師が営む店もあります。
七尾湾の牡蠣を出す店は、ななお・なかのとDMOが「七尾湾能登かき街道」としてまとめて案内しています(2025年は11月7日に案内が出ました)。七尾の町の回り方は七尾の観光に、のと鉄道の乗り方はのと鉄道の乗り方に書いています。
穴水の楽しみ方|コースで食べる、駅で買う
穴水町では、穴水町観光物産協会の「まいもんまつり」の冬の陣として、かきまつりが開かれます。加盟店で牡蠣のコースや牡蠣料理を出す期間で、2026年は1月3日から5月6日まででした。どの店が出しているかは、協会のサイトの加盟店の一覧で確かめられます。
のと鉄道の終点、穴水駅に併設した道の駅でも、町の特産として牡蠣を扱っていると県の観光サイトが紹介しています。飛行機なら、のと里山空港から穴水の市街地まで車で約10分です。穴水の町そのものは穴水の観光にまとめました。
どう食べるか|産地では殻ごと焼くのが基本

現地で食べるなら、焼きがいちばん多い形です。殻つきのまま鉄板や炭にのせて、開いたら食べる。客が自分で炭火にのせて焼くのが能登の昔からの形だと、石川県観光連盟も紹介しています。手袋とナイフを渡されて、自分で開ける店もあります。
- 焼き牡蠣:殻ごと。汁がこぼれる前に食べるのがコツ
- 生牡蠣:生食用として出されているものだけ。買うときも「加熱用」と「生食用」の表示を確かめます
- 牡蠣フライ・蒸し牡蠣:宿の夕食や食堂の定番
- いしる鍋に入れる:能登の魚醤「いしる」との相性がいい。いしるとは?
ひとつ現実的な注意を。牡蠣を焼くと、匂いと汁がつきます。白い服とお気に入りのコートは避けたほうがいいです。エプロンを貸してくれる店もありますが、期待しないほうが確実です。
家で能登牡蠣を食べるなら|むき身の取り寄せ
現地まで行けない年は、旬の時期に届くむき身を頼む手もあります。殻付きは開ける道具が要るので、最初はむき身のほうが扱いやすいです。
甘えびや寒ブリも含めた取り寄せの選び方は石川の海鮮お取り寄せにまとめています。
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穴水の牡蠣まつりは2月ごろ|2026年は2月28日・3月1日

穴水町では例年2月ごろに、炭火で牡蠣を焼く「雪中ジャンボかきまつり」が開かれてきました(2023年は2月11日・12日、穴水港湾のあすなろ広場)。凍える屋外で炭火にあたりながら牡蠣を焼く、というのが本来の形です。
ただし開催の形態は年によって変わっています。2024年は中止になりました。2026年は代わりの特別イベントとして、穴水町の商店街を会場に2月28日(土)と3月1日(日)に炭火コーナーが設けられました。2027年の日程は、2026年10月19日の時点で協会のサイトにまだ出ていません。行くと決めたら、必ず穴水町観光物産協会か町の公式発表で、その年の開催を確認してください。
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牡蠣を食べに行く旅程|金沢から穴水・中島へ

穴水町の案内では、金沢から穴水までは、のと里山海道を使って車で約1時間30分、JR特急とのと鉄道で約2時間です。中島は七尾駅でのと鉄道に乗り換えて約20分の能登中島駅が最寄り。日帰りもできますが、冬の能登は日が短く、道も濡れています。泊まったほうが余裕があります。
- 穴水・能登町に泊まる:産地のすぐそば。宿の数は少ないので早めに。能登町・穴水の宿
- 和倉温泉に泊まる:中島町から近く、温泉と組み合わせられます。和倉温泉の宿10選
- 七尾・能登島に泊まる:湾を挟んで反対側。七尾・能登島の宿
冬に車で能登へ入るなら、タイヤの確認を先にしてください。能登は金沢より積雪が少ない傾向ですが、冬道であることは変わりません。石川の冬、レンタカーにスタッドレスは要る?にまとめました。
牡蠣と一緒に、冬の能登で食べられるもの

同じ時期に、能登では寒ブリが揚がります。12月から2月は牡蠣と寒ブリが同時にある期間で、能登の冬でいちばん贅沢な時期です。
冬の味覚が月ごとにどう入れ替わるかは能登の寒ブリは12月から|石川の冬の味覚カレンダーに、冬の石川の全体像は石川の冬ガイドにまとめています。
牡蠣は、カニのように構えて食べるものではありません。寒い日に、焼けたそばから食べる。能登の冬の楽しみ方としては、こちらのほうが素直だと思います。
穴水・中島に泊まる|牡蠣の産地のそばの宿3軒
牡蠣の産地の穴水町と七尾市中島町にある宿から、楽天トラベルの口コミの多い順に3軒を選びました(口コミの表示が無い民宿 かき浜は最後)。能登の宿は、場所によって受付の状況が違います。予約の前に、楽天トラベルで空室と受付を確かめてください。

穴水町の七尾湾の海沿いに建つ、1日1組限定の一棟貸切のコテージです。能登島を望む景色とサウナが売りで、のと鉄道の能登鹿島駅から車で約2分。牡蠣の店を回る日の夜を、海の前で静かに過ごせます。

七尾市中島町の、牡蠣漁師が営む飲食店の敷地内にあるトレーラーハウスです。能登中島駅から歩いて5分なので、電車で来て牡蠣を食べ、そのまま泊まれます。駐車場は無料で15台(先着順)。

穴水町の湾に面した民宿で、宿で牡蠣を育てています。11月から4月末までは、夕食が自家養殖のかきのフルコースだけになる(1泊2食付のみ)と案内しています。のと鉄道の穴水駅から車で10分、のと里山空港から車で20分。部屋は6室、駐車場は無料で30台です。
穴水と能登町の宿をもっと見るなら能登町・穴水の宿、駅から車で行ける範囲なら穴水駅周辺の宿4軒、温泉と組み合わせるなら和倉温泉の宿10選にまとめています。宿のリンクは楽天トラベルに飛びます。
牡蠣の時期はその年の海況によって前後します。店の営業や祭りの開催は、お出かけ前に必ずご確認ください。
Sightseeing
この記事に出てくる観光スポット
本文で触れた場所です。開いている時間や料金は、それぞれのページにまとめてあります。
