石川の冬というとカニの話ばかりになりますが、地元でよく食べられているのは牡蠣のほうかもしれません。カニは値段が上がりすぎて、正直そう頻繁には食べません。牡蠣は、冬のあいだずっと食卓にあります。
能登の牡蠣がいつからいつまでで、どこで食べられて、何が特徴なのか。順番にまとめます。
シーズンは12月から3月

能登の真牡蠣は、おおむね12月から3月が食べごろです。年明けから2月にかけて身が大きくなり、いちばん厚みが出ます。
| 時期 | 状態 |
|---|---|
| 11月下旬〜12月 | 出はじめ。身は小ぶりだが味は澄んでいる |
| 1月〜2月 | いちばん身が入る時期。焼き牡蠣が旨い |
| 3月 | 終盤。産卵に向けて味が変わっていく |
| 6月〜8月 | 真牡蠣は休み。かわりに岩牡蠣の季節になる |
ここで混同しやすいのが真牡蠣と岩牡蠣です。冬に食べるのが真牡蠣、夏に食べるのが岩牡蠣で、別のものです。「牡蠣は冬」も「牡蠣は夏」も、どちらも石川では正しい。夏の岩牡蠣については夏の金沢グルメ案内に書いています。
産地は穴水と七尾湾

能登の牡蠣が育つのは、七尾湾です。能登半島が内側に抱えこんでいる、波の静かな内海。ここに穴水町と七尾市中島町の養殖いかだが並びます。
- 穴水町:九十九湾から続く入り組んだ入り江。牡蠣の町として知られ、冬になると牡蠣を出す店が並びます
- 七尾市中島町:「中島牡蠣」の名で流通します。七尾湾の奥まった側
七尾湾は、川から山の養分が流れこみ、外海の波が入らない。牡蠣にとって条件がそろった湾です。能登の牡蠣は殻が小ぶりで、身が詰まっていると言われるのは、この環境によるものです。
どう食べるか

現地で食べるなら、焼きがいちばん多い形です。殻つきのまま鉄板や炭にのせて、開いたら食べる。手袋とナイフを渡されて、自分で開ける店もあります。
- 焼き牡蠣:殻ごと。汁がこぼれる前に食べるのがコツ
- 生牡蠣:生食用として出されているものだけ。産地でも「加熱用」と「生食用」は明確に分かれています
- 牡蠣フライ・蒸し牡蠣:宿の夕食や食堂の定番
- いしる鍋に入れる:能登の魚醤「いしる」との相性がいい。いしるとは?
ひとつ現実的な注意を。牡蠣を焼くと、匂いと汁がつきます。白い服とお気に入りのコートは避けたほうがいいです。エプロンを貸してくれる店もありますが、期待しないほうが確実です。
2月には牡蠣まつりがある

穴水町では例年2月に牡蠣のまつりが開かれてきました。凍える屋外で炭火にあたりながら牡蠣を焼く、というのが本来の形です。
ただし震災以降、開催の形態は年によって変わっています。規模を縮小したり、別の形で行われたりしています。行くと決めたら、必ず穴水町観光物産協会か町の公式発表で、その年の開催を確認してください。この記事は「例年2月にある」以上のことは書きません。
牡蠣を食べに行く旅程

穴水と中島は、金沢から車でおよそ1時間半から2時間。日帰りもできますが、冬の能登は日が短く、道も濡れています。泊まったほうが余裕があります。
- 穴水・能登町に泊まる:産地のすぐそば。宿の数は少ないので早めに。能登町・穴水の宿
- 和倉温泉に泊まる:中島町から近く、温泉と組み合わせられます。和倉温泉の宿10選
- 七尾・能登島に泊まる:湾を挟んで反対側。七尾・能登島の宿
冬に車で能登へ入るなら、タイヤの確認を先にしてください。降る量は金沢より少ないものの、除雪の手が入る道が限られます。石川の冬、レンタカーにスタッドレスは要る?にまとめました。
牡蠣と一緒に、冬の能登で食べられるもの

同じ時期に、能登では寒ブリが揚がります。12月から2月は牡蠣と寒ブリが同時にある期間で、能登の冬でいちばん贅沢な時期です。
冬の味覚が月ごとにどう入れ替わるかは能登の寒ブリは12月から|石川の冬の味覚カレンダーに、冬の石川の全体像は石川の冬ガイドにまとめています。
牡蠣は、カニのように構えて食べるものではありません。寒い日に、焼けたそばから食べる。能登の冬の楽しみ方としては、こちらのほうが素直だと思います。
牡蠣の時期はその年の海況によって前後します。店の営業や祭りの開催は、お出かけ前に必ずご確認ください。
写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと
Sightseeing
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