金沢のグルメといえば冬のカニ。そう思われがちですが、夏の金沢には夏にしか出会えない味がちゃんとあります。素潜りで獲る能登の岩牡蠣、7月1日だけの氷室饅頭、そして金沢流の土用の味、どじょうの蒲焼き。
地元の店を取材して回っている石川まんでいいところ編集部が、夏(6〜8月)の金沢で食べたいものをまとめました。時期や価格は執筆時点の情報です。
夏の海鮮。主役は岩牡蠣

夏の日本海の主役は、能登の天然岩牡蠣です。旬は6〜8月。真牡蠣と違って夏でも栄養を蓄えたまま太る牡蠣で、殻いっぱいに詰まった身は濃厚そのもの。輪島や珠洲の海女・海士さんが素潜りで1個ずつ獲る伝統漁で、この漁法は無形民俗文化財にも指定されています。金沢では近江町市場で出会えます。
魚では、スズキや高級魚のキジハタ、スルメイカ、アオリイカ、サザエなどが夏の水揚げの主役です(石川県の旬カレンダーより)。冬のカニ・ブリとはまったく別の顔ぶれなので、夏の寿司は夏の正解があります。なお甘えびは、沿岸の底びき網が7〜8月休漁の間も沖の漁場ものが入るため、夏でもほぼ食べられます。
7月1日は氷室饅頭の日
金沢には、7月1日「氷室の日」に饅頭を食べて無病息災を願う風習があります。ルーツは加賀藩の時代。冬の雪氷を「氷室」に貯蔵し、夏に切り出して江戸の将軍家へ届けていました。その氷が無事に届くよう饅頭を供えて祈った故事が、庶民の風習として今も続いています。
饅頭は白・赤・緑の3色で、赤は魔除け、白は清浄、緑は健康の願いが込められています。森八や柴舟小出、越山甘清堂など市内の和菓子店で、6月下旬から7月1日までの期間限定販売。この時期に金沢へ来たら、ぜひ3色セットでどうぞ。
金沢流の土用。どじょうの蒲焼き
金沢で夏の「蒲焼き」といえば、うなぎではなくどじょうを指すことがあります。背開きにして串に刺し、甘辛いタレで炭火焼きにした伝統の味で、旬は7月上旬から8月下旬。明治時代、卯辰山に軟禁されたキリスト教徒がどじょうを蒲焼きにして売り歩いたのが始まりという説が伝わっています(江戸末期の屋台の記録もあり、由来は諸説あります)。
骨ごと食べられてカルシウムたっぷり、夏バテ対策にもってこいの一串です。近江町市場やデパ地下、金石の専門店で買えます。
かき氷と涼菓
- かき氷: 金沢はかき氷の名店が増え続けています。完全予約制の「つちのこ舎」、県内初の専門店「ウミネコパーラー」、ミシュラン2つ星の料亭が手がける「和甘味つぼみ」など、個性派が揃います
- 金箔ソフト: ひがし茶屋街名物。金箔生産のほぼ全量を占める金沢ならではの一本です
- 水羊羹系: きんつばで有名な中田屋の夏限定「みずごろも」は6月〜8月中旬だけの味です
夏の夜の楽しみ
夏の金沢の夜には、期間限定のお楽しみがあります。ひとつは浅野川の川辺に桟敷席を設える「浅の川園遊会 白糸川床」。金沢芸妓のおもてなしと加賀料理を楽しむ特別な席で、2026年は7月24日から8月8日まで開かれています(要予約・各日50席)。
もっと気軽にいくならビアガーデンです。2026年はANAクラウンプラザホテルやホテル金沢の屋上ビアガーデン、金沢港クルーズターミナルの海辺BBQなどが開かれていて、日本海の夕風と一杯、という金沢らしい夏の夜が過ごせます。
夏の加賀野菜も忘れずに
- 加賀太きゅうり: 1本600g超の太いきゅうり。あんかけの煮物や酢の物で
- 金時草(きんじそう): 葉の裏が赤紫の夏野菜。茹でると独特のぬめりが出て、酢の物が定番です
- ヘタ紫なす: 皮が薄く甘みのある小なす。夏盛りの一夜漬けが絶品といわれます
居酒屋や料理店で「加賀野菜ありますか」と聞いてみてください。夏の献立が一段面白くなります。
まとめ
夏の金沢は、岩牡蠣に始まり、氷室饅頭で無病息災を願い、どじょうで精をつけて、かき氷で涼む。冬とは別の物語がちゃんと用意されています。カニの季節を待たずに、夏の金沢を食べに来てください。
Sightseeing
この記事に出てくる観光スポット
本文で触れた場所です。開いている時間や料金は、それぞれのページにまとめてあります。
