かほく市の大崎北に、朝7時から開いているパン屋があります。「自家製酵母 こでパン」。Instagramのプロフィールには「町のちいさなパン屋さん」と書かれていて、そのとおりの佇まいのお店です。
このお店がおもしろいのは、パンの出発点にあたる酵母を、自分たちで育てた米からつくっているところです。
ウッドデッキにOPENの看板が出ると、その日の営業が始まる
酵母のもとは、自分たちの田んぼの米
こでパンのInstagramには、6月になると田植えの写真が並びます。「こでパンの酵母は、自然栽培で育てたお米を使用しております」と本人たちが書いているとおり、パンを膨らませる酵母は買ってくるものではなく、自分たちの田んぼから始まっています。
2026年は「今年はお店の方を優先して、田んぼは1枚だけです」とのこと。パン屋と米づくりを同時に回すというのは、言葉にすると簡単ですが、実際にやり続けている人はそう多くありません。6月と7月は雑草との競争なのだそうです。
プロフィールにある「原料にこだわった身体にやさしいパン作り」という一文は、こういう日々の積み重ねの上に置かれた言葉なのだと思います。
店は、家族で一年かけて建てたログハウス
お店に着いてまず目に入るのは、赤いログハウスです。この建物はキットを買ってきて、家族全員で一年かけて建てたものだと聞きました。
ただ、キットをそのまま組み上げたわけではありません。売り場にあたる部分は基本のキットからかなり改造していて、そこにいちばん手間がかかったそうです。手づくりの感触が建物に残っていることも、このお店の愛着のひとつになっています。
売り場にあたる部分は、基本のキットから手を加えてつくられている
酵母を自分たちの米から起こし、建物も自分たちの手で建てる。こでパンは、そういうつくり方をしているお店です。
食パンからドーナツまで、棚の顔ぶれは広い
並ぶパンの種類は幅があります。カンパーニュや食パンといった定番から、フォカッチャ、シナモンロール、そしてドーナツまで。
2026年の夏には、明太フランス、くるみとクリームチーズ、黒ゴマドーナツが新しく加わりました。あわせて気まぐれのサンドイッチも始まっていて、こちらは出す日がInstagramのストーリーで告知されます。ピザも扱っていますが、こちらは店頭販売から予約注文のみに切り替わりました。希望するときは電話かInstagramのDMで相談する形です。
小さなお店なので、その日つくれる量には限りがあります。売り切れ次第終了なので、狙いのパンがあるなら早い時間に向かうのが確実です。
朝7時開店という選択
営業は水曜・木曜・金曜が7時から17時まで、土曜が7時から14時まで。日曜・月曜・火曜はお休みです。
朝7時から開けているパン屋は、石川県内でもそう多くありません。お店自身も夏場は「朝の涼しい時間帯にぴったり」「こでパンで朝活」と発信していて、出勤前や散歩がてらに寄る使い方を想定しているようです。かほく市に住んでいる方はもちろん、金沢方面から能登へ向かう朝のドライブに組み込むのにも都合のいい時間帯です。
営業日は月ごとのカレンダーがInstagramで告知されます。臨時の休みもここで知らせているので、訪ねる前に一度のぞいておくと安心です。駐車場もあります。
編集部より
米を育てて、その米で酵母を起こす。店の建物も家族で一年かけて建てる。そして朝7時に開ける。効率という物差しからはいちばん遠いところにあるやり方です。それでも田んぼの写真とパンの写真が同じアカウントに並んでいるのを見ていると、このお店のパンがどこから来ているのかがよく分かります。かほく市を通る予定があるなら、少し早起きして寄ってみてください。
この店の近くで、遊ぶ
ごはんの前後に、ちょうど時間が使える体験です。

みんなの声
このお店へのコメントを投稿できます。
管理者の承認後に表示されます。
まだコメントはありません。最初のひとことを投稿してみませんか?
このお店へのコメント投稿は現在受け付けていません。