加賀温泉郷は山代・山中・片山津・粟津の4つ。どこに泊まるかで、加賀温泉駅からの移動は路線バス11分から30分まで開きます。

1泊で足りる人と2泊いる人の条件、4つの温泉地への所要時間と運賃、2泊で足せるもの、金沢との配分を、公式の数字だけで並べました。

結論|温泉地を1つに決めるなら1泊、湯めぐりと渓谷を入れるなら2泊

先に結論。泊まる温泉地を1つに決め、その温泉街の中だけで過ごすなら1泊2日で足ります。 加賀温泉駅から山代温泉は路線バスで約12分、片山津温泉は約11分。午後に総湯へ行き、翌朝もう一度湯に入って昼前の新幹線に乗る。これが無理なく入ります。

2泊が要るのは温泉地をまたぐときです。公式のモデルコースでは、片山津・山代・山中の3つの総湯を車でめぐって所要約4時間。片山津から山代まで約20分、山代から山中まで約15分。入浴と食事が乗れば、それで1日が終わります。

自分がどちらかは、次の条件で切り分けてください。

  • 1泊で足りる:泊まる温泉地は1か所でいい/宿の風呂と総湯に入れれば満足/移動は宿の送迎か路線バス1本
  • 2泊いる:総湯を2か所以上めぐりたい/山中温泉の鶴仙渓を歩きたい/那谷寺や粟津温泉まで足を伸ばしたい/周遊バスのキャン・バスを主な足にする

4つの温泉地と加賀温泉駅の距離|粟津だけ事情が違う

片山津温泉と柴山潟(加賀市)
片山津温泉と柴山潟(加賀市)(写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと)

加賀温泉郷とひとまとめに呼ばれますが、駅からの距離は4つとも別物です。数字は加賀温泉郷公式のアクセス案内と北鉄加賀バスの時刻表から引きました。

目を引くのは粟津温泉です。粟津だけ加賀市ではなく小松市にあり、開湯は718年。小松市の公式も加賀温泉郷とまとめて呼んでいますが、加賀温泉駅から粟津温泉への直通の路線バスはないと加賀温泉郷公式のFAQが明記しています。足は宿の送迎バス(駅南口を出て左手約150m、5番乗降場)か、キャン・バスの山まわり線です。

運賃は2026年2月1日の改定後。交通系ICカードは使えず、現金かタッチ決済対応のクレジットカードだけです。本数は加賀温泉駅発で片山津方面が1日10便、山代・山中方面が1日20便(曜日により運休便あり/2026年3月15日改正)。泊まる場所が決まっていないなら、4つの性格の違いを比べた記事と、駅からの近さで宿を絞る方法が先です。

駅からの近さで宿を絞る方法でも、この話にふれています。

温泉地加賀温泉駅から車路線バスバス運賃(加賀温泉駅から)キャン・バス
山代温泉約10分約12分290円山まわり線
山中温泉約20分約30分470円(山中温泉バスターミナル)山まわり線 約25分
片山津温泉約10分約11分290円小松空港線 約10〜15分/海まわり線 約40分
粟津温泉直通便なし山まわり線
加賀温泉駅から、4つの温泉地への足粟津温泉だけ駅からの直通路線バスがない片山津温泉路線バス 約11分・290円山代温泉路線バス 約12分・290円山中温泉路線バス 約30分・470円粟津温泉直通バスなし(送迎かキャン・バス)加賀温泉駅金沢から新幹線 約15〜18分泊数の目安1泊2日温泉地1か所・宿の風呂と総湯2泊3日総湯2〜3か所+鶴仙渓・那谷寺3泊以上粟津・小松方面まで出どころ:加賀温泉郷公式(加賀市観光交流機構)の路線バス案内・FAQ(2026年3月15日改正/2月1日運賃改定)

1泊2日のモデル|金沢から来るなら、昼前には湯に届く

金沢駅から加賀温泉駅は北陸新幹線のかがやきで約15分、はくたか・つるぎで約18分。IRいしかわ鉄道の普通なら約45分、東京駅からはかがやき直通で約2時間45分です。移動が短いぶん、1泊2日でも現地の時間は残ります。

落とし穴は周遊バス「キャン・バス」です。加賀温泉駅を起点に3ルートあり、いずれも一方向に走るので帰りの便を調べずに済みます。ただし海まわり線と山まわり線は各線1日5本、1時間半から2時間おきで、1日に回れるのは最大4か所というのが石川県観光公式サイトの説明。1泊2日でこれを主役に据えると、実質は半日1回しか使えません。

券の事情も変わりました。車内で買えるのは1回乗車券500円(子ども・障がい者は半額)だけ。大人1,300円の1日周遊券は2025年3月31日で販売取りやめになり、1日乗車券は「ほっと石川旅体験」のデジタルチケットを事前に買う形です。駅の観光案内所で売る加賀温泉郷パスポートは、赤1,000円(対象22施設から3施設無料)、青1,800円がキャン・バス1日乗り放題つき。

そのうえで、1泊2日の骨格はこうなります。

  • 午前の新幹線で金沢を出る。加賀温泉駅に着いたら駅内の加賀市観光情報センター(8時45分〜17時30分・年中無休)で荷物を預けるか、対象旅館への手荷物配送を頼む
  • 路線バスか宿の送迎で温泉街へ(山代約12分、片山津約11分、山中約30分)
  • 午後は総湯と温泉街の散策にあてる
  • 翌朝もう一度湯に入り、昼前のバスで駅へ戻る

2泊にすると足せるもの|川床、那谷寺、そして粟津

那谷寺(小松市)
那谷寺(小松市)(写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと)

2泊目の使い道で、旅の性格が変わります。加賀で2泊する値打ちが出るのは、時間の読めないものを日程に入れたいときです。

ひとつが山中温泉の鶴仙渓の川床。2026年は4月1日〜11月30日、9時30分〜16時(11月のみ10時〜15時)、あやとりはし袂の不動滝そばです。お席料は加賀棒茶つき大人700円、スイーツつきの川床セットが大人1,000円。山中温泉旅館組合の加盟宿に泊まれば、それぞれ200円・500円まで下がります。予約は受け付けておらず、雨天と河川の増水時は営業中止。 詰まった1泊の日程に差し込むと簡単に崩れます。

もうひとつが那谷寺です。拝観は9時15分〜16時、一般1,000円・小学生300円。加賀温泉駅からタクシーで約15分、キャン・バスなら山まわり線「那谷寺」下車。小松市側なので粟津温泉からは車で約10分で、2泊目を粟津に移して締める組み方も成立します。温泉以外に加賀市で何ができるかは、渓谷・九谷焼・北前船をまとめた記事のほうが早いはずです。

渓谷・九谷焼・北前船をまとめた記事で、別の角度から書きました。

泊数別にできることの比較

ここまでの数字を、泊数ごとに整理します。車がないなら、1泊2日で温泉地を2つ回そうとしない。 温泉地どうしを結ぶ路線バスはなく、加賀温泉駅まで戻って乗り換えるので、待ち時間が積み上がります。3つの総湯めぐりが車で約4時間、という公式の数字がそのまま効いてきます。

泊数温泉地の数入れられるもの移動の前提
1泊2日1か所宿の風呂、その温泉地の総湯、温泉街の散策路線バス1本か宿の送迎
2泊3日1〜2か所総湯を2〜3か所、鶴仙渓の遊歩道と川床、那谷寺路線バス+キャン・バスに1日
3泊以上2か所以上粟津・小松方面、九谷焼や北前船の資料館までレンタカーがあると成立しやすい

金沢と組み合わせるなら|加賀は1泊が基準、2泊は目的がある人だけ

金沢から15〜18分という近さは、裏返せば「加賀に長く置く理由」を自分で作る必要があるということです。石川全体なら金沢2泊+加賀1泊、または金沢1泊+加賀1泊が基準。加賀2泊は、鶴仙渓と那谷寺の両方を入れる、総湯を3か所めぐる、といった目的がある人だけで十分です。能登を含めた配分は、エリア別に分けた記事で扱っています。

順番は帰りの空港で決まります。小松空港を使うなら加賀は後ろ。キャン・バスの小松空港線は加賀温泉駅前から約30分で、片山津温泉のバス停で海まわり線から乗り換えられます。

時刻改正と料金改定は毎年のように入ります。出発前にもう一度、各公式サイトで確認してください。


Sightseeing

この記事に出てくる観光スポット

本文で触れた場所です。開いている時間や料金は、それぞれのページにまとめてあります。

片山津温泉柴山潟のほとりの温泉地。湖面とつながって見える「潟の湯」と「森の湯」、朝6時から入れる総湯について。ページを見る
山代温泉洗い場のない「古総湯」と現代的な「総湯」。2026年4月改定の入浴料と営業時間、二つの湯の使い分けを。ページを見る
那谷寺小松の山あいに建つ白山信仰の古刹。奇岩の岩山と重文の堂宇、拝観時間・拝観料・無料駐車場の情報です。ページを見る