金沢というと海鮮と加賀料理が先に出てきますが、地元の人が普段食べているのはもっと気軽なものです。洋食屋の卵料理、真っ黒なカレー、県内どこにでもあるラーメンチェーン、行列のできる餃子屋。この記事では、その「金沢の日常食」をまとめました。
ハントンライス

金沢で生まれた洋食です。バターライスの上に薄焼き卵をかぶせ、白身魚のフライをのせて、ケチャップとタルタルソースをかける。オムライスとフライ定食が合体したような一皿で、見た目のインパクトがそのまま味の満足度になります。
名前の由来はハンガリーとフランス語のトン(マグロ)を合わせたもの、という説が知られています。金沢市内の老舗洋食店が発祥とされ、いまは市内の多くの洋食店・喫茶店で出しています。店ごとにフライの種類やタルタルの量が違うので、二軒行くと違いがはっきり分かります。
金沢カレー
金沢カレーには分かりやすい特徴があります。ルーが濃い茶色でどろりと重い。皿がステンレス。キャベツの千切りが横に添えられ、カツにはソースがかかっていて、フォークか先割れスプーンで食べる。この形式が揃っていると金沢カレーと呼ばれます。
チェーン店が全国に出ているので味を知っている人も多いはずですが、金沢市内には個人店もあります。ルーの重さは店によってかなり差があるので、「濃いのが好きか、そうでもないか」で選ぶといいでしょう。
8番らーめん

石川県民のソウルフードです。国道8号沿いに1号店ができたことが名前の由来。定番は野菜らーめんで、炒めた野菜が山になって載ってきます。スープは塩・しょうゆ・みそ・バター風味から選べます。
観光で来た人が入る店ではないと思われがちですが、県内どこにでもあり、地元の人の生活にいちばん近い外食です。「石川の日常を食べる」という意味では、これ以上分かりやすい店はありません。
第七ギョーザの店
金沢のもりの里にある餃子屋です。地元では「第七」で通じます。出てくるのはホワイト餃子系の丸い餃子で、皮が厚く、たっぷりの油で揚げるように焼く。普通の焼き餃子を想像して行くと、形と歯ごたえの両方で裏切られます。ホワイト餃子は10個で590円、ごはんの付く定食が990円です。
とにかく混みます。昼どきと夜は行列ができる前提で向かってください。回転は速いほうですが、待つ気がないと入口で引き返すことになります。
もうひとつ知っておいてほしいのがお座敷です。1階のカウンターとは別に有料の座敷があり、1部屋1時間300円から(2名以上)。餃子屋で部屋代を取られるのかと身構えるかもしれませんが、ゆっくり食べたいなら迷わず座敷を取ってください。カウンターは回転が前提の席です。腰を落ち着けて話しながら食べる時間には、300円を払う価値が完全にあります。10名以上なら電話での予約もできます。
営業は11時から翌2時まで(ラストオーダー1時45分)、水曜定休。深夜まで開いているので、飲んだあとの締めに寄る人も多い店です。
金沢おでん

金沢のおでんは、種に地元のものが入ります。車麩、赤巻(赤い渦巻きの練り物)、ばい貝、ふかし(すり身の練り物)。だしは澄んでいて、関東のおでんより色が薄いのが一般的です。
冬にだけ出るのが「カニ面」です。香箱ガニ(ズワイガニのメス)の甲羅に、身と内子・外子を詰めて出汁で炊いたもの。香箱ガニの漁期は11月6日から12月29日までと短いため、カニ面が食べられるのもこの時期だけです。1個1,000円を超えることも珍しくありませんが、冬の金沢でこれを目当てに来る人がいるくらいの一品です。
どじょうの蒲焼き
近江町市場で売られている、金沢の古い食べ物です。開いたどじょうを串に刺し、タレを付けて焼いたもの。うなぎより小さく、骨ごと食べられます。買ってその場で食べる人も、家に持ち帰って酒の肴にする人もいます。
近江町市場は観光客で混みますが、こういう商品の前には地元の人が立っています。市場の歩き方は別の記事にまとめました。
どう回るか
全部を一日で食べるのは無理があります。組み合わせるなら、昼にハントンライスか金沢カレー、夕方に市場でどじょうの蒲焼きを一本、夜におでん、という流れが胃にも予算にもやさしい。冬ならおでんはカニ面のある店を選んでください。
名物料理をもう少し広く知りたい場合は、加賀料理や海鮮まで含めたガイドもあります。
Sightseeing
この記事に出てくる観光スポット
本文で触れた場所です。開いている時間や料金は、それぞれのページにまとめてあります。
