石川県には空港が2つあります。小松空港と、のと里山空港。どちらを使うかは、金沢で完結する旅か、輪島や珠洲まで入る旅かで答えが変わります。

両空港の公式サイトと運航ダイヤ、それに空港連絡バスの時刻表・運賃表を突き合わせて、行き先ごとに整理しました。数字は執筆時点のもので、能登側はとくに動きます。

路線の数が、そもそも違う

小松空港が案内している国内線は羽田・札幌・福岡・那覇の4路線です。公式の時刻表を数えると、羽田が1日8往復、福岡が5往復、札幌が2往復、那覇が1往復。国際線はソウル・上海・台北・高雄・香港の5路線が並びます。海外から直接石川へ降りられるのは、いまのところこちらだけです。

のと里山空港は羽田だけ。ANAが1日2往復で、飛行時間は羽田発が約55分、能登発が約65分です。2003年(平成15年)7月に開いた空港で、いまは公式サイトもバスの時刻表も「のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港」の表記になっています。

便数だけ並べれば小松の圧勝に見えます。ただ、本当の違いは降りたあとに残る距離のほうです。この記事の要点はそこです。小松空港からの入り方と、のと里山空港の使い方は、それぞれ別に細かくまとめてあります。

のと里山空港の使い方でも、この話にふれています。

小松空港のと里山空港
国内線羽田・札幌・福岡・那覇羽田のみ
1日の便数羽田8往復/福岡5往復/札幌2往復/那覇1往復2往復(ANA)
国際線ソウル・上海・台北・高雄・香港なし
羽田からの飛行時間約1時間約55分

金沢と加賀温泉なら、小松空港で迷わない

片山津温泉と柴山潟(加賀市)
片山津温泉と柴山潟(加賀市)(写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと)

小松空港から金沢駅西口までは、リムジンバスで約40分。香林坊まで乗ると約55分です。運賃は金沢市内のどの停留所でも1,400円(小児700円)で、予約は要りません。航空便の到着から約15分後に出発する運行なので、荷物を受け取って乗り場へ出れば、たいてい次の便に間に合います。小松駅までなら310円。

加賀温泉に泊まるつもりなら、わざわざ金沢へ出る必要はありません。加賀周遊バス「キャン・バス」の小松空港線が、JR加賀温泉駅と空港を1日5往復しています。加賀温泉駅10時15分発で空港着が10時43分、28分です。空港11時00分発なら加賀温泉駅に11時30分着。途中で片山津温泉を通るので、片山津に宿を取るなら駅にも寄らずに済みます。運賃は空港アクセス券が1回550円。

弱点は本数です。5往復しかないので、自分の飛行機の時刻と噛み合わないことがある。そのときはタクシーに切り替えるか、素直に金沢経由にしたほうが早い。前泊や最終便に合わせて空港近くに一泊するという手もあります。加賀温泉郷は4つの温泉地に分かれていて、どこに泊まるかで空港からの動き方も変わります。

加賀温泉郷は4つの温泉地に分かれていてで、別の角度から書きました。

輪島と珠洲は、のと里山空港が2時間以上近い

白米千枚田(輪島市)
白米千枚田(輪島市)(写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと)

ここが一番はっきり差の出るところです。のと里山空港から輪島駅前までは、特急バスで30分・590円。同じバスに金沢駅西口から乗ると、輪島駅前まで2時間49分・2,300円かかります。空港が輪島の手前にあるので、飛行機を降りた時点でほぼ着いているようなものです。

珠洲へはのと里山空港で乗り換えます。空港10時10分発に乗ると、すずなり館前へ11時03分着。53分・1,300円です。金沢駅西口を7時15分に出ても着くのは同じ11時03分なので、差はおよそ3時間。ただし珠洲方面は1日3本しかないため、乗り継ぎの時刻に合わせて航空便を選ぶことになります。

バスの時刻に縛られたくないなら、乗合制の「ふるさとタクシー」があります。飛行機の時刻に合わせて空港と能登各地を結ぶもので、料金は輪島市・穴水町・能登町が1,300円、輪島市門前地区・珠洲市・能登町内浦地区が1,800円、七尾市・中能登町が2,200円、志賀町・羽咋市・宝達志水町が2,900円。利用日の前日15時までに予約が要ります。

行き先使う空港空港からの足目安
金沢小松リムジンバス約40分・1,400円
加賀温泉・片山津小松キャン・バス小松空港線28分〜・550円/1日5往復
七尾・和倉温泉どちらでもふるさとタクシー、または金沢から特急タクシー2,200円
輪島のと里山特急バス/ふるさとタクシー30分・590円/1,300円
珠洲のと里山特急バス(1日3本)/ふるさとタクシー53分・1,300円/1,800円

和倉温泉と七尾は、どちらでも成立する

七尾湾と和倉温泉(空撮)
七尾湾と和倉温泉(空撮)(写真提供:石川県観光連盟/ほっと石川旅ねっと)

七尾と和倉温泉は、能登のなかでは珍しく鉄道が通っている場所です。金沢から特急でおよそ52分から57分、2,190円。小松空港に降りてもリムジンバスで金沢駅へ出れば、そのまま乗り継げます。

のと里山空港から入るなら、ふるさとタクシーで2,200円。金沢を経由しないぶん時間は縮みますが、羽田からの便が1日2本なので、宿のチェックイン時刻との相性で決まります。

つまりこのエリアは、金沢に寄りたいかどうかで選べばいい。兼六園や近江町市場に一日使うなら小松空港、能登だけを目的に来るならのと里山空港。同じ宿に泊まるのでも、入り方は二通りあります。

能登側の数字は、時期で変わる前提で見る

能登-羽田便は震災のあと1日1往復まで減り、2024年12月25日に2往復へ戻りました。いまの時刻は2026年3月29日から10月24日までのダイヤで、期間が変われば時刻も本数も変わりえます。ここに書いた数字を確定として持って出かけないでください。

空港自身がこう書いています。「空港と能登各地との間の移動については、現在、利用できる交通機関が限られているため、必ずアクセス手段をお客様ご自身で確保の上、ご利用ください」。飛行機を先に押さえてから足を探す順番だと詰みます。バス側も、2026年3月の案内で輪島駅前と輪島マリンタウンの間が運休のまま。経路の変更や停留所の休止も続いています。

予約の順番は、空港からの足が先です。ふるさとタクシーは前日15時締切、特急バスの珠洲方面は1日3本、キャン・バスの空港線は5往復。どれも「当日なんとかする」が効きにくい数字でしょう。能登への旅そのものをどう考えるかは、別の記事で整理しました。

便数・運賃・所要時間はいずれも執筆時点で公式に出ていたものです。出発前に、各空港とバス事業者の公式ページでもう一度確認してください。


Sightseeing

この記事に出てくる観光スポット

本文で触れた場所です。開いている時間や料金は、それぞれのページにまとめてあります。

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