神輿を、火の中に投げ込みます。海にも川にも放り込みます。壊れるほど神様が喜ぶ、という考え方の祭りです。能登町宇出津(うしつ)の「あばれ祭」。名前のとおりの祭りで、能登に夏が来たことを告げる一発目でもあります。
能登には200を超えるキリコ祭りがあると言われますが、その先陣を切るのがこれです。能登のキリコを一度見るなら、まずここと言われる祭りをまとめます。
いつ、どこであるか
| 時期 | 例年7月の第1金曜と土曜(2日間) |
| 場所 | 鳳珠郡能登町 宇出津(八坂神社・酒垂神社) |
| 出るもの | キリコ(奉燈)数十基と、大松明 |
本番は夜です。日が落ちてから火が入り、そこから深夜まで続きます。昼に着いて夕方まで待つ、という時間の使い方になります。
起源は350年ほど前と伝わります。疫病が流行したときに京都から神を勧請したところ疫病が収まり、住民がキリコを担いで回って喜んだ——それが始まりとされています。荒々しさは、感謝の表し方だったということです。
2日間で、何が起きるか
2日間で性格がはっきり分かれます。
- 1日目(金):大松明が立ち、火が入ります。その周りをキリコが乱舞します。火の柱とキリコの明かりが同時に見られるのはこの晩です
- 2日目(土):神輿が出ます。担ぎ手が神輿を地面に叩きつけ、火に投げ込み、海や川に放り込みます。「あばれ祭」の名の由来はこちら
キリコは高さのある奉燈で、灯りを入れて担ぎます。これが数十基、狭い港町の道を動きます。音と熱と人の密度が、写真では伝わらない部分です。
どちらか1日しか行けないなら、火を見たいなら1日目、神輿の荒さを見たいなら2日目。この選び方になります。
行き方(ここがいちばんの問題)

宇出津は能登半島の東側、奥能登の入口にあります。鉄道は通っていません。金沢から車でおよそ2時間、あるいは特急バスという移動になります。
そして祭りは深夜まで続きます。ここが決定的で、
- 公共交通では、終わってから帰れません。最後まで見るつもりなら、車か、近くに泊まるかの二択です
- 車で行く場合も、会場周辺は交通規制がかかります。指定の駐車場に停めて歩くことになります
- 宇出津周辺の宿は数が限られます。地元の常連で埋まるので、決めたらすぐ動いてください
宿の候補は能登町・穴水の宿にまとめました。近くが取れなければ和倉温泉や七尾・能登島から車で通う形になります。能登全体の宿の少なさは石川の宿は617軒、どこに何軒あるかで数えました。
見るときに気をつけること
- 本物の火を使う祭りです。大松明の火の粉は飛びます。燃えやすい服・化繊のアウターは避けて、近づきすぎないこと
- 担ぎ手の動線に入らない。キリコも神輿も、急に方向が変わります。地元の方の指示に従ってください
- 夜の海沿いは冷えます。7月でも羽織るものがあると楽です
- これは観光イベントではなく、町の神事です。撮影に夢中になって進行を妨げないように
そしてもうひとつ。能登の祭りは、震災のあとも地域の人が手をかけて続けているものです。年によって規模や進行が変わることがあります。「去年やっていたから今年もある」とは限りません。行くと決めたら、まず能登町か主催者の公式発表を探してください。
能登のキリコ祭りはこのあと7月から9月にかけて各地で続きます。石川の祭りが月ごとにいつあるかは石川の祭り・行事カレンダーにまとめました。
日程・進行・交通規制は年によって変わります。お出かけ前に必ず能登町および主催者の公式発表をご確認ください。
Sightseeing
この記事に出てくる観光スポット
本文で触れた場所です。開いている時間や料金は、それぞれのページにまとめてあります。
