白山市を拠点にする「Kitchen amam」は、様々な場所でお店を構え、お昼ごはんを届けているキッチンです。メインの活動先は、金沢市の古民家レンタルスペース「金澤kominka」。ここで毎月、手づくりの定食を出しています。

旬の食材をふんだんに使った、その日の定食
献立は日替わりです。旬のものを使い、その日その日に合った定食を組み立てる。だから同じ内容は二度と出てきません。営業する曜日も毎月変わるため、出かける前にInstagramをのぞくところからその日のお昼が始まります。
旬の食材で、四季を感じる食卓を
季節の食材をしっかり取り入れて、四季を感じてもらえる食事にすること。そして、失われつつある郷土料理を取り戻したいという気持ち。この二つが、Kitchen amamの献立の芯にあります。
主菜に汁物、小鉢がいくつも並ぶ定食は、家庭の食卓をそのまま持ち出したような構成です。派手さで惹きつけるのではなく、季節のものを、その季節らしく食べる。当たり前のようでいて、いま外食でいちばん出会いにくい形かもしれません。

主菜に汁物、小鉢がいくつも並ぶ日替わり定食
提供は11:30から14:00まで、要予約です。価格帯は1500円ほど。ご依頼主の要望に応じて内容を調整することもできるそうです。
4人の子どもを持つ母として、子どもたちの食を守りたい
Kitchen amamが始まったきっかけは、店主自身が4人の子どもを育てる母親であることと切り離せません。子どもたちの食を守りたい。その気持ちが、起業という選択につながったと言います。

厨房に立つ店主。仕込みの時間
ただ、向いている先は子どもだけではありません。「親である私達が、美味しいと思える物を食べ、これ作りたいな!と思えたり、心に少し余裕が持てたり、気持ちの回復のお手伝いができたら良いなと思っています」。店主はそう話します。
作る人がまず満たされていないと、日々の食卓は続いていかない。誰かのぶんを毎日つくり続けてきた人ほど、この言葉は身にしみるはずです。おいしい定食を食べて力が戻り、「うちでも作ってみようかな」と思えたなら、その日の食卓はもう少しやさしくなります。食を通じて気持ちに寄り添う姿勢が、一皿ずつに込められています。
メインの舞台は、古民家の「金澤kominka」
毎月のランチ営業のメインになっているのが、金沢市の「金澤kominka」です。古民家を再利用したレンタルスペースで、とてもアットホームな空間。たくさんの方が利用されている、あたたかい場所です。

一度に何十膳も仕上がる、仕込みの日
レンタルスペースという性質上、ほかの方が場所を借りて使うときに、あわせてランチを依頼されることもあるそうです。イベントや集まりの日に、この定食が出てくる。そんな出会い方もあります。
営業日は固定ではなく不定休です。最新のスケジュールはInstagramで案内されるので、フォローしておくと出会えるチャンスを逃しません。
助産院「いのちの森」では、離乳食・幼児食のアドバイザーとして
もうひとつの顔が、助産院「いのちの森」での活動です。第2火曜と第4金曜に開かれるタッチケアのイベント日に、離乳食や幼児食のアドバイザーとして参加されています。
こちらはランチの提供ではなく、これから離乳食を始めるお母さんたちの相談にのる場です。子どもの食を守りたいという最初の思いが、店の外でもそのまま形になっています。
出店先のひとつ、能美市の「302番地」
月に一度ほど、能美市鍋谷町の古民家複合施設「302番地」にも出店しています。築70年を超える建物を改修した場所で、囲炉裏や和室が残るシェアキッチンです。回数は多くありませんが、こちらで出会えることもあります。
編集部より
旬のものを出すこと。郷土料理を残したいこと。子どもの食を守りたくて始めたこと。親の気持ちが回復する手伝いをしたいこと。すべてが一本の線でつながっていて、実際の営みもそこからずれていません。
お店を持たないという選び方は、身軽に見えて、その日ごとに場を整える手間を引き受ける働き方でもあります。それでも続けているのは、届けたい食卓がはっきりしているからなのだと思います。
お店の様子






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