冬の石川といえば、やっぱりカニです。石川でとれるズワイガニには、オスの「加能ガニ」とメスの「香箱ガニ」があり、それぞれに違った魅力があります。名前は聞いたことがあっても、両者がどう違うのか、いつ食べられるのかは意外と知られていません。旬が短いぶん、知っておくと冬の金沢旅がぐっと充実します。
この記事では、加能ガニと香箱ガニとは何かを、それぞれの特徴、違い、漁期、そして食べ方まで順番に解説します。地元の個人店を取材している「石川まんでいいところ」の視点で、冬の味覚をより楽しむための知識をまとめました。
加能ガニ・香箱ガニとは?

どちらも同じズワイガニですが、石川ではオスとメスを呼び分けています。オスのズワイガニを「加能ガニ」、メスのズワイガニを「香箱ガニ」と呼びます。加能ガニは身の食べごたえとカニみそが自慢で、香箱ガニは甲羅の中の卵の食感が絶品。同じカニでも、味わいどころがまったく違うのです。
加能ガニ(オス)― 青タグが産地の証
加能ガニは、石川県で水揚げされるオスのズワイガニのうち、甲羅の幅が9センチ以上という基準を満たしたものを指します。「加賀」と「能登」から一字ずつ取って名づけられたブランドガニです。目印は、脚につけられた青いタグ。水揚げした漁港の名前が刻まれていて、産地の証になっています。大ぶりの身にぎっしり詰まったうまみと、濃厚なカニみそが持ち味で、刺身や茹で、焼きなど、さまざまな食べ方で楽しめます。
香箱ガニ(メス)― 内子と外子の宝箱
香箱ガニは、メスのズワイガニです。加能ガニの半分ほどの大きさですが、その小さな甲羅の中には、宝物のような味わいが詰まっています。甲羅の中にあるオレンジ色の未成熟卵「内子(うちこ)」、こっくりとしたカニみそ、そしてお腹に抱えた茶色い粒々の卵「外子(そとこ)」。この三つの食感と濃厚な味わいこそ、香箱ガニのだいご味です。身は小ぶりでも、卵とみその凝縮したうまみは、加能ガニとはまた違ったぜいたくさがあります。
漁期と食べ方 ― 冬の限られた時期だけ
ズワイガニ漁が解禁されるのは、毎年11月6日から。加能ガニの漁期は、そこから翌年の3月20日までです。いっぽう香箱ガニは、資源を守るために漁期がさらに短く、11月6日から12月29日ごろまでとされています。つまり香箱ガニを味わえるのは、冬のごく限られた時期だけ。狙うなら、冬の早い時期に金沢を訪れるのが確実です。
加能ガニは、茹でて素材の甘みを味わうのはもちろん、刺身や焼きガニ、鍋など楽しみ方が豊富です。香箱ガニは、内子・外子・みそ・身をバランスよく味わえる「香箱盛り」で出す店もあります。金沢おでんの「カニ面」も、香箱ガニを使った冬だけの名物です。旬の時期に石川を訪れたら、ぜひ両方を食べ比べてみてください。
まとめ ― 冬の石川はカニで決まり
加能ガニは青タグが証のオスのズワイガニ、香箱ガニは内子と外子が絶品のメスのズワイガニです。加能ガニの漁期は11月6日から3月20日、香箱ガニは12月29日ごろまでと短く、どちらも冬だけの味覚です。身のうまみを楽しむ加能ガニ、卵とみそを味わう香箱ガニ。同じズワイガニでも役者が違うので、冬に石川を訪れたら両方を味わうのがおすすめです。
冬の金沢を訪れたら、ぜひブランドガニを味わってみてください。カニ以外の石川の名物もまとめて知りたい方は、下の記事もあわせてどうぞ。地元の人が通う小さな名店を探すなら、掲載店の一覧ものぞいてみてください。
